ポーカーにはさまざまな役が存在しますが、その中でも「フォーカード(Four of a Kind)」は非常に強力な役の一つです。フォーカードは、同じランクのカード4枚を揃えることで成立し、多くのハンドを圧倒する勝率を誇ります。
しかし、フォーカードを狙うタイミングや、完成した際の適切なプレイ方法を理解していなければ、せっかくの強力な役を十分に活かせないこともあります。
本記事では、フォーカードの確率や戦略、狙うべき場面、注意点などを詳しく解説していきます。初心者の方でも実践しやすいように、具体例を交えながらわかりやすく解説していくので、ぜひ参考にしていきましょう。
フォーカードとは?

フォーカード(Four of a Kind)とは、同じ数字のカード4枚と任意の1枚(キッカー)で構成されるポーカーの役のひとつです。役の強さとしては、ストレートフラッシュの下、フルハウスの上に位置する非常に強力なハンドです。
フォーカードの参考例

フォーカードは4枚の数字が揃っているため、めったに成立しない強力な役です。そのため、適切な戦略を取ることで大きなポットを獲得するチャンスがあります。
正しいフォーカードの呼び方
基本的には「フォーカード」は以下のように呼びます。それぞれのランクに合わせた呼び方が一般的です。
- ♠A, ♦A, ♥A, ♣A, ♠5 →「エースのフォーカード」(Four Aces)
- ♠X, ♦X, ♥X, ♣X, ♠K →「テンのフォーカード」(Four Tens)
- ♠6 , ♦6, ♥6, ♣6, ♠3 →「シックスのフォーカード」(Four Sixes)
各ランクのフォーカードは「Four of [ランク名]」と呼ばれるのが一般的です。
参考例
- 「フォーエース(Four Aces)」
- 「フォークイーンズ(Four Queens)」
- 「フォーシックス(Four Sixes)」
このような形で英語でもよく呼ばれます。もし「フォーカード」という単語を使いたい場合でも、「エースのフォーカード」や「シックスのフォーカード」といった表現で問題ありません。
フォーカード同士が揃った場合の勝敗の決め方
ポーカーでは、まれに複数のプレイヤーがフォーカードを完成させることがあります。その場合、勝敗の決め方は以下のルールに従います。
フォーカードのランクを比較する
フォーカードは、4枚の同じ数字のカードのランクが高い方が勝ちとなります。

キングのフォーカードがクイーンのフォーカードに勝利します。
キッカーのランクを比較する
もし2人のプレイヤーが同じランクのフォーカードを持っていた場合、残りの1枚(キッカー)の強さで勝敗が決まります。

ただし、ボード上にフォーカードが完成している場合は、すべてのプレイヤーが同じ役を持つため、キッカーの差がなくなりポットは分配(スプリットポット)されます。
補足:フォーカードがプレイヤー同士でかぶる可能性
コミュニティカードを共有するテキサスホールデムではほぼ起こらない
テキサスホールデムでは、各プレイヤーが2枚のホールカードを持ち、5枚のコミュニティカードを共有します。そのため、同じフォーカードを持つには、ボード上に4枚の同じランクのカードが出る必要があるため、ポットはスプリットされます。

スタッドポーカーやドローポーカーなら可能性はあるが極めて低い
7カードスタッドなどのゲームでは、プレイヤーごとに独立したハンドを持つため、偶然に同じフォーカードが揃う可能性はゼロではありません。しかし、デッキには各ランクのカードが4枚しかないため、1人のプレイヤーがすでにフォーカードを持っていれば、他のプレイヤーが同じランクでフォーカードを作ることはあり得ません。
例外的に、ワイルドカード(ジョーカーなど)を使用するゲームでは、複数のプレイヤーがフォーカードを完成させることが可能になります。
結論:テキサスホールデムでは起こり得ない
通常のテキサスホールデムでは、異なるプレイヤーが異なるホールカードから同じランクのフォーカードを作ることは不可能です。唯一の例外として、ボード上にフォーカードが完成すると全員が同じ役を持つことになり、ポットはスプリットされます。
そのため、キッカーでの勝敗が発生するのは、ボード上に4枚同じランクがなく、1人のプレイヤーだけがフォーカードを作れた場合のみに限られます。
フォーカードの確率
フォーカードが成立する確率は非常に低く、貴重なハンドです。以下の表は、テキサスホールデムにおけるフォーカードの成立確率を示しています。
場面 | 確率(おおよそ) |
プリフロップで配られる確率 | 約0.024%(1/4165) |
フロップ時点で完成する確率 | 約0.2% |
ターンまたはリバーで完成する確率(フォーカードドロー) | 約4.3% |
テキサスホールデムで最初の5枚でフォーカードができる確率 | 約0.024%(4,165分の1) |
7枚のカード(自分の2枚+ボード5枚)でフォーカードが完成する確率 | 約0.168%(595分の1) |
フォーカードは狙って作ることが難しく、通常は自然に完成するものです。そのため、完成した際には最大限のバリューを引き出せるようにプレイすることが重要になります。

フォーカードを狙うべき場面
フォーカードは非常に強力なハンドですが、その成立確率は低いため、やみくもに狙うのは得策ではありません。しかし、特定の状況ではフォーカードに発展する可能性が高まり、期待値の高いプレイができます。
1. フロップでトリップス(スリーカード)を持っている場合
フロップでセット(スリーカード)を完成させた場合、ターンやリバーでフォーカードに発展する可能性があります。特にポケットペアを持っている場合は、ボードにもう1枚同じランクのカードが出ればフォーカードが完成します。
参考例
- 自分のハンド:♠9, ♣9
- フロップ:♦9, ♥2, ♠7
この時点でスリーカードが完成しており、ターンやリバーで♦9または♥9が来ればフォーカードが成立します。
ポイント
- 相手に自分の強さを悟らせないように、慎重にベットサイズを調整しましょう。
- ボードがストレートやフラッシュの可能性を含んでいる場合は、警戒しながらプレイすることが重要です。
2. ボードにペアがある場合
ボードにペアができているとき、同じランクのポケットペアを持っていればフォーカードの可能性があります。
参考例
- 自分のハンド:♠J, ♦J
- ボード:♠J, ♥J, ♣5, ♦8, ♠K
この場合、Jのフォーカードが完成しています。
ポイント
- ボードペアがあるとき、相手がフルハウスを狙っている可能性があるため、慎重にプレイしましょう。
- 相手のベットサイズを見ながら、自分のハンドの価値を最大化できるようにプレイするのが重要です。
3. 相手のアクションからフォーカードの可能性を読む
相手が急に大きなベットやレイズをした場合、フォーカードを持っている可能性があります。特に、ボードにペアがある状況では、相手が同じペアのポケットを持っていると考えられます。
参考例
- ボード:♠8, ♥8, ♦K, ♣3, ♠Q
- 相手の急なオールイン
このような状況では、相手が8のフォーカードを持っている可能性があるため、慎重な判断が必要です。
ポイント
- 相手のプレイスタイル(タイトかアグレッシブか)を考慮しながら、慎重に読みましょう。
- 無理にコールせず、相手のアクションを見極めることが重要です。
4. ポケットペアを持っているとき
プリフロップでポケットペア(例: 8♠ 8♦)を持っている場合、ボードに同じランクのカードが2枚以上出ればフォーカードの可能性が生まれます。
参考例
- 自分のハンド:♦Q, ♣Q
- ボード:♥Q, ♠Q, ♦7, ♥2, ♣K
この場合、クイーンズのフォーカードが完成します。
ポイント
- 相手のアクションを見ながら、ベットを適切に調整しましょう。
- フロップでセットが完成した場合、スロープレイ(ゆっくりとしたベット)を活用することで、相手からより多くのチップを引き出せます。
5. トリップス(スリーカード)が成立しているとき
フロップやターンでトリップスができている場合、ターンやリバーでフォーカードが完成する可能性があります。
参考例
- 自分のハンド:♠X, ♦X
- ボード:♣X, ♠5, ♥A, ♦2, ♠X
ターンでフォーカードが完成しています。
ポイント
- 相手に自分の強さを気づかせないように、ベットサイズを慎重に調整しましょう。
- 他のプレイヤーがストレートやフラッシュを狙っている可能性があるため、ボードの状況をよく確認することが重要です。
6. 相手が強いハンドを持っていると予想されるとき
相手がフルハウスやストレートフラッシュを狙っているとき、あなたのフォーカードが完成すれば大きなポットを獲得できる可能性があります。
参考例
- ボード:♥K, ♠K, ♣9, ♦9, ♠K
- 自分のハンド:♣K, ♦K
この場合、キングのフォーカードが完成し、相手がフルハウス(Kと9)を持っていた場合でも勝つことができます。
ポイント
- 相手がフルハウスを持っていると考えられる場合、強気にベットして大きなポットを狙うのも一つの戦略です。
- ただし、ストレートフラッシュやロイヤルフラッシュの可能性がある場合は慎重にプレイしましょう。
フォーカードを活かす戦略
1. スロープレイを活用する
フォーカードが完成したからといって、すぐに大きなベットやオールインをするのは得策ではありません。特に、相手のアグレッシブなプレイスタイルを利用して、スロープレイ(Slow Play)を活用することで、ポットを最大限に膨らませることができます。
スロープレイのポイント
- 相手がアグレッシブな場合
小さなベットやチェックを挟むことで相手にブラフやベットを誘発させ、最終的に大きなポットを狙います。 - 相手がパッシブな場合
相手が消極的ならば、ターンやリバーで少しずつベットサイズを増やし、ショウダウンまでにポットを育てることが重要です。 - ボードのテクスチャを考慮
ボードにストレートやフラッシュドローがある場合は、スロープレイよりもベットして価値を引き出す方が適切な場合もあります。

2. ボードの状況を把握する
フォーカードの強さは、ボードの構成によって大きく変わります。以下のようなボードでは特に注意が必要です。
危険なボード例
例 1:♠7, ♦7, ♣7, ♥7, ♠K
このようなボードでは、すべてのプレイヤーがフォーカードを持っており、実質的にキッカー(K♠)の強さで勝敗が決まります。このような場合、相手も強いハンドを持っているため、無理にポットを膨らませるのではなく、慎重なポットコントロールが必要です。
例 2:♠9, ♦9, ♣9, ♠2, ♦2
ボード上でフルハウス(9のトリップス+2のペア)が完成していると、相手が9を持っていなければフォールドされる可能性が高くなります。この場合、ベットサイズを調整して相手がついてきやすい状況を作ることが重要です。
3. ポットコントロールを意識する
フォーカードを持っていると、つい大きなベットをしたくなりますが、状況によっては慎重なプレイが求められます。特に、以下のポイントを意識しましょう。
適切なベットサイズの決め方
- 相手のハンドレンジを考える
相手が強いハンド(フルハウス、トリップス)を持っている場合は、相手のコールを引き出せるベットサイズを選びましょう。 - ターンやリバーでのベット戦略
小さなベットで相手を引き込み、リバーで大きなベットを仕掛けると、相手がコールしやすくなります。 - オールインのタイミング
相手がすでにコミットしている場合、リバーでオールインを仕掛けることで最大限のバリューを獲得できます。

フォーカードに関連する注意点
フォーカードはポーカーにおいて非常に強力なハンドですが、状況によっては慎重なプレイが求められます。過信してしまうと、大きな損失につながる可能性もあるため、以下の点に注意しましょう。
1. ボードフォーカードに注意
ボード上にフォーカードが完成してしまうと、すべてのプレイヤーが同じ役を持つことになります。この場合、勝敗はキッカーの強さによって決まりますが、ボードにキッカーが絡まない場合は完全なスプリットポット(チップの分配)になります。そのため、大きくベットしても相手がコールしてくれない可能性が高く、ポットの価値が低下するため、無理にポットを膨らませる意味はありません。
対応策
- ボードフォーカードが完成した場合は、ベットサイズを控えめにし、無駄な損失を避ける。
- 相手のアクションをよく観察し、勝てる見込みが少ない場合は無理にチップを投資しない。
2. より強いハンドに警戒
フォーカードは非常に強力ですが、負ける可能性がゼロではありません。ストレートフラッシュやロイヤルフラッシュには敵いません。特に、ボードにストレートやフラッシュが見え隠れしている場合は、相手のハンドをよく考慮する必要があります。
参考例
あなたのハンド:♠J, ♦J
ボード:♠J, ♥J, ♣5, ♦8, ♠X
この場合、フォーカードが完成していますが、ボードがストレートの可能性を示唆しており、相手が「♠Q, ♠K」を持っていればストレートフラッシュに負けてしまいます。
対応策
- ボードにストレートやフラッシュの可能性がある場合は、大きなベットをする前に相手のアクションを慎重に判断する。
- 相手が急に強いアクション(大きなレイズやオールイン)をした場合、より強いハンドを持っている可能性を考慮する。
3. 相手のハンドレンジを考慮する
フォーカードが完成すると、つい興奮して大きなベットをしたくなりますが、相手のハンドレンジを無視すると逆に損をする可能性があります。相手がそもそも弱いハンドしか持っていなければ、あなたがどんなに大きくベットしてもフォールドされるだけで、十分な利益を得ることができません。
対応策
- 相手が強いハンドを持っていそうな場合(プリフロップでアグレッシブにレイズしてきたなど)は、スロープレイを活用する。
- 相手のプレイスタイルを分析し、アグレッシブな相手にはチェックや小さなベットで罠を仕掛ける。
4. フォーカードを活かせる状況を見極める
フォーカードが完成しても、常に最大の利益を得られるとは限りません。特に、相手がついてこない場面では、無理に大きなベットをするよりも、より効率的なプレイを選択することが重要です。
対応策
- フロップからスロープレイを活用し、ターンやリバーで相手が大きくベットするように誘導する。
- ポットをコントロールし、相手がコールしやすい適切なベットサイズを選ぶ。
リアルポーカーとオンラインポーカーにおけるフォーカードの違い
リアルポーカーとオンラインポーカーでは、フォーカードが出現する頻度や戦略の違いがあります。
リアルポーカーでのフォーカード
- 実際のカード配布が行われるため、確率的にフォーカードは出現しにくい。
- プレイヤーの表情や動き(いわゆる「ライブテル」)を観察しながらプレイできる。
- 高額ポットになりやすいが、慎重なプレイが求められる。
オンラインポーカーでのフォーカード
- 短時間で多くのハンドをプレイできるため、フォーカードが出現する機会がリアルポーカーよりも多い。
- 相手のリアクションを直接見ることができないため、ベットサイズやプレイ傾向を分析するスキルが必要。
- ボットやデータ分析ツールを活用するプレイヤーも多く、戦略的な対応が求められる。
フォーカードに関する初心者へのアドバイス
初心者がフォーカードを活かすためには、いくつかのポイントを意識することが重要です。
焦らず冷静にプレイする
フォーカードが完成したからといって、すぐにオールインするのではなく、状況を見極めることが大切です。
例えば、ボードにフォーカードより強い可能性(ストレートフラッシュなど)がある場合、むやみにチップを投じるとリスクが高まります。相手のアクションやベットサイズを慎重に観察し、最適なタイミングを見極めましょう。

ベットサイズを調整する
相手がついてきやすい額を考えながら、ポットを膨らませる工夫をしましょう。
例えば、フロップやターンで小さめのベットをすることで、相手にコールさせやすくなり、リバーで大きなベットを打つことで最大限の利益を得られる可能性があります。
また、相手がタイトなプレイヤーである場合、ベット額を調整しないとフォールドされる可能性が高まるため、心理戦を意識したプレイを心がけましょう。

相手のアクションを観察する
相手がフルハウスやストレートフラッシュを狙っている可能性もあるため、慎重にプレイしましょう。
例えば、ボードに3枚の連続したカードが並んでいる場合、相手がストレートフラッシュを完成させる可能性があるため、相手のベット額やプレイスタイルを分析しながら行動することが重要です。

まとめ
フォーカードはポーカーにおいて トップクラスに強い役 であり、完成すれば大きなポットを狙う絶好のチャンスです。ただし、相手がストレートフラッシュを持っていないか警戒しながら、慎重にプレイすることも大切です。
フォーカード攻略ポイント
✔ フロップでスリーカードができたらフォーカードを狙う
✔ ボードにペアがあるときはフォーカードの可能性を考える
✔ 相手のアクションを読みながら最大限のバリューを取る
チャンスがきたら焦らず落ち着いたプレイを心がけていきましょう。本記事で紹介した戦略を用いながらフォーカードをうまく活用し、ポーカーの勝率を上げていきましょう。