ポーカーで勝率を高めるには、単に良いハンドを待つだけでは不十分です。重要なのは、いかにして「相手にプレッシャーを与え、自分の勝ち筋を作れるか」。そのカギとなるのが、コンティニュエーションベット(Cベット)です。
本記事では、Cベットの基本から実戦での活用法、よくある失敗とその回避方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。ポットを奪い取るための武器として、Cベットをしっかり身につけましょう。
Cベットとは?その定義と基本
コンティニュエーションベット(Cベット)とは、プリフロップでレイズしたプレイヤーが、フロップ後も続けてベットする戦術のことです。
このベットは、実際に手がヒットしていなくても「強い手を持っている」と相手に思わせるプレッシャーを与える目的で使われます。シンプルながら非常に効果的な戦術です。
Cベットのメリットと活用シーン
Cベットの主なメリットは次のとおりです。
- ポットを早めに獲得できる:相手がフォールドすれば、ショーダウンを待たずに勝利。
- 主導権を握れる:積極的なアクションで相手を受け身にさせられる。
- ブラフの一環として使える:何もヒットしていなくてもベットすることで、相手に強い印象を与えられる。
特に活用しやすいのは、以下のような状況です。
- 相手が1人だけ(ヘッズアップ)
- フロップがドライ(絡みにくい)ボード
- 自分がプリフロップでオープンレイズしている
Cベットが特に効果的な状況とは?
コンティニュエーションベットは、すべての場面で有効というわけではありません。効果を最大化するには「使うべき状況」を正しく見極めることが重要です。
まず、Cベットが最も活躍するのは相手が1人(ヘッズアップ)で、かつフロップのボードが「ドライ(絡みにくい)」な場合です。たとえば、プリフロップであなたがレイズをし、相手がビッグブラインドでコールしてきたとしましょう。
フロップに落ちたカードが「♠K, ♦7, ♣2」のように、ドローも強い組み合わせもほぼない、バラバラな構成だった場合、多くの相手はヒットしていないことが多いです。ここでのCベットは非常に有効で、多くの場合相手はフォールドするでしょう。
また、自分がプリフロップでレイズした「レイザー」であることもポイントです。相手から見れば、「この人は強いハンドを持っているからレイズしてきた」と思っています。さらにフロップでベットされたら、「ああ、やっぱりフロップも当たったんだな」と連想しやすくなるため、フォールドを誘いやすくなるのです。
Cベットを成功させるための3つの実践的ポイント
Cベットは非常に強力ですが、やみくもに使うと逆効果になってしまうこともあります。成功させるためには、以下のような点を意識することが大切です。
1. 相手のプレイスタイルを見極める
相手のタイプによって、Cベットの効果は大きく異なります。たとえば、タイトでパッシブな相手は強いハンドでしか勝負してこない傾向があるため、こちらのCベットに対して簡単にフォールドしてくれます。こういった相手に対しては、特に積極的にCベットを使うべきです。
反対に、コーリングステーションと呼ばれるような、どんなハンドでも頻繁にコールしてくる相手には注意が必要です。このタイプのプレイヤーには、こちらのブラフが見抜かれやすく、Cベットしても簡単にコールされてしまうため、実際にヒットしているか、もしくは強いドローがあるときだけ使うのが効果的です。

2. フロップのボード構成(テクスチャー)を重視する
フロップのカードの組み合わせ、つまり「テクスチャー」によってCベットの成功率は大きく変わります。「ドライボード」とは、カードが互いに関連性が薄く、ストレートやフラッシュの可能性がほとんどない状態です。
例としては「♠K, ♦7, ♣2」のような組み合わせが該当します。このようなフロップでは、多くの相手は何もヒットしていない可能性が高く、Cベットに対して簡単に降りてくれることが多いのです。
一方で、「ウェットボード」、たとえば「♠J, ♠X, ♥9」のようにストレートやフラッシュのドローが成立しやすいボードでは、多くのプレイヤーが何かしらの可能性を見出してコールしてくる傾向があります。このような場合、Cベットは慎重に使うべきです。
3. 適切なベットサイズを選ぶ
Cベットのサイズ設定も成功の鍵を握ります。基本的には、ポットの1/2(50%)から2/3(約66%)程度がスタンダードです。このくらいのサイズ感が、相手に対して「本当にヒットしていそうだ」と信じさせるのに効果的です。
あまりにも小さなベット(たとえばポットの1/4以下)では、相手が「これはブラフだ」と見抜いてコールされやすくなります。一方で、ポットの90%以上など極端に大きなベットをすると、自分のチップを無駄にリスクに晒すことになります。

よくある失敗とその回避法
Cベットには注意すべき失敗パターンもあります。これらを理解し、事前に対策を講じておくことが重要です。
毎回Cベットしてしまう
Cベットが有効だからといって、毎回のように使っていると、相手にパターンを読まれてしまいます。特に中~上級者は「この人、毎回Cベットしてくるな」と察知した時点で、わざとコールして逆にリバーで反撃してくることがあります。Cベットの頻度は常に一定ではなく、チェック(ベットしない選択)とのバランスを取ることが求められます。
複数人相手にCベットを打つ
2人以上がフロップに残っているマルチウェイポットでは、誰かしらがフロップで何かにヒットしている可能性が高くなります。このような場面でCベットを使っても、1人が降りてももう1人がコールするなど、ブラフが通りにくくなります。Cベットは基本的にヘッズアップでこそ最大の効果を発揮するということを忘れないようにしましょう。
ウェットボードでの無理なCベット
先述した通り、ドローの多いウェットボードでは、相手にコールやリレイズされやすく、こちらが不利になる可能性が高くなります。こういった状況では、無理にベットせずチェックで様子を見る、あるいはブラフを避けるなどの柔軟な対応が必要です。
実戦でのCベット活用例とその意図
ここで、実際のプレイ例を使ってCベットの実践的なイメージを解説しましょう。
シチュエーション
あなたはCO(カットオフ)ポジションで♠A, ♦Kを持っており、プリフロップでレイズ。BB(ビッグブラインド)だけがコールしてフロップへ。
フロップ
♣9, ♦4, ♠2 というドライなボードが落ちます。
このボードは、相手がヒットしている可能性がかなり低く、セットやツーペアの可能性も極めて薄いと言えます。また、あなたがAやKでレイズしていたと相手が想定する場合、「A9」や「K9」のようなヒットも考えられるため、あなたがフロップをヒットしていると錯覚しやすい構造です。
アクション
相手(BB)はチェック。あなたはここで、ポットの2/3程度のCベットを行います。
このベットは、相手に対して「自分はこのフロップにヒットしている」と強く印象づける効果があります。たとえ現実には何もヒットしていなくても、このような構成のボードでは高確率で相手のフォールドが期待できるため、Cベットが有効に働きます。
このように、コンティニュエーションベットは状況と相手をしっかり分析した上で使えば、非常に強力なツールになります。タイミング、相手、ボード構成、ベットサイズの4つの要素を総合的に考え、的確に実行することで、あなたのポーカースキルは確実にワンランク上へと進化します。
まとめ
コンティニュエーションベットは、ポーカーにおいて欠かせない攻撃的な戦略です。ただし、場面や相手によっては逆効果になることもあるため、状況を見極めて使い分けることがポイントです。
- 相手とボードの状況を分析する力を養い
- ベットのタイミングとサイズをコントロールし
- 主導権を握るプレイを目指しましょう
これらを意識することで、Cベットの成功率は格段に上がり、より戦略的なポーカープレイヤーへと進化できます。