ポーカーで勝利するためには、強いハンドを持つだけでは難しいものです。そんな時に使いたいのがブラフです。ブラフは、あなたのプレイをより戦略的に変化させ、相手を惑わせ、勝率を高めることのできる重要な戦略です。
しかし、ブラフを成功させるには適切なタイミングや状況の理解が必要不可欠です。本記事では、初心者から上級者までが活用できるブラフ戦略を完全網羅します。ポーカーライフをより楽しむために、ブラフについて理解しゲームに取り入れていきましょう。
ブラフとは何か?
ブラフの定義
ブラフとは、自分の手が強いと相手に信じ込ませるために行うプレイです。あなたがブラフを用いることで、相手にフォールド(降りる)させて、ポットを獲得することを目的とします。主には以下のような行動が含まれます。
- 強気のベットやレイズ
自分の手が弱い場合でも、大きな金額をベットまたはレイズして、相手に強い手を持っていると信じ込ませる。 - 弱いハンドでのリレイズ
自分の手が弱い場合でも、相手のベットに対して再度レイズを行い、自分が強い手を持っていると錯覚させ困惑させる。 - ターンやリバーでのオールイン
ボードの後半にあたるターンやリバーで、全てのチップを賭けるオールインを仕掛けて、相手を圧倒させる。
ブラフの目的は、相手をフォールドさせることです。上手にブラフを勝つようすることで、実際には自分が勝つ可能性が低いポットを獲得することができます。
ブラフの種類と詳細解説
ブラフは非常に強力な戦術の一つですが、ブラフにもさまざまな種類があり、それぞれの状況や相手のプレイスタイルによって使い分ける必要があります。ここでは、ポーカーで使用される代表的な10種類のブラフを紹介します。それぞれの特徴を理解し、適切なタイミングで実行することで、ゲームを有利に進めていきましょう。
ピュアブラフ(pure bluff:純粋なブラフ)
完全に勝ち目のないハンドで行うブラフです。相手をフォールドさせることが唯一の目的です。
ポイント
- 相手がタイトで慎重なプレイヤーの場合に効果的です。
- 主にフロップやターンで活用されます。
注意点
無理に仕掛けると、相手のコールによって大きな損失を被るリスクがあります。
セミブラフ(semi-bluff)
勝つ可能性のあるハンド(例えば、フラッシュドローやストレートドロー)の際に行うブラフです。相手がフォールドすればポットを獲得し、コールされた場合でも次のカードで強いハンドを完成させる可能性があります。
ポイント
- ドローが強いボードで特に効果的なブラフです。
- 主に相手が消極的なアクションを取る状況で使用されます。
注意点
もし次のカードでハンドが完成しない場合、対戦プレイヤーのアクション次第では大きな損失機会を作ることに繋がります。
リバースブラフ(Reverse Bluff)
あえて弱いアクションを取ることで、相手に「こちらが弱い」と思わせ、同時に、相手に強いアクションを引き出させる戦略です。たとえば、あなたはリバーで強いハンドを持ちながらチェックし、相手がブラフしてくるのを誘います。
ポイント
- 相手がアグレッシブなプレイヤーである場合に効果的。
- リバースブラフは強いハンドでのみ行うべきです。
注意点
相手がブラフせずにチェックバックする可能性があるため、慎重に状況を判断する必要があります。相手の特徴や手札の予測、ゲームの進行状況など、様々な情報をしっかりと収集しましょう。
Positional Bluff(ポジションブラフ)
ポジションを活かして行うブラフ。たとえば、ボタンやカットオフといった有利なポジションから相手のチェックを見てベットし、ポットを奪い取ります。
ポイント
- ボードがドライ(フラッシュやストレートの可能性が低い)である場合に有効。
- 主に相手が弱気なアクションを取る場合に仕掛けます。
注意点
ポジションが不利な場合には適用が難しくなるため、慎重な判断が必要です。あなたのポジションに合わせたプレイスタイルの一つとして活用しましょう。
Probe Bluff(プローブブラフ)
ターンでリードするための小さなベットを行い、相手の手の強さを探りながらブラフする戦略です。
ポイント
- ポットが小さい状況で、相手にフォールドを促す際に使用します。
- プローブラフはターンでの情報収集を兼ねています。
注意点
仮に相手が強いハンドを持っている場合、逆にレイズされるリスクがあるので注意が必要です。
マルチストリートブラフ(Multi-Street Bluff)
フロップ、ターン、リバーと複数のストリートにわたって一貫したストーリーを描きながらブラフをする手法です。スターティングハンドの時点でストーリーを描き実践します。
ポイント
- 一貫性が非常に重要で、相手があなたの行動を信じやすい状況で行います。一貫性のないプレイスタイルの場合、相手にブラフだとすぐにバレてしまいます。
- ポジションを活用して相手の反応を確認しながら進める。状況把握と判断が重要な鍵です。
注意点
ゲームの途中でストーリーが破綻すると相手に見破られる可能性があります。
ポラライズドブラフ(Polarized Bluff)
手の範囲を極端に「強い」か「ブラフ」に偏らせた形で行うベット。特にリバーの大きなベットの際に使われます。
ポイント
- 相手に「強いハンドかブラフしかない」と考えさせる状況で効果的です。
- 主にリバーでの大胆なアクションとして使用される。
注意点
相手が慎重なプレイヤーの場合、フォールドを促せる可能性が高いですが、逆に読まれるリスクもあります。相手の特徴や性格を把握しながら上手く活用していく必要があります。
ブラインドスティールブラフ(Blind Steal Bluff)
ボタンやスモールブラインドから、ビッグブラインドをフォールドさせるためにブラフを行う。
ポイント
- 相手がタイトなプレイヤーである場合に効果的です。
- スタックサイズが相手よりも有利な場合に使用するようにします。
注意点
仮に相手がルースである場合、コールされるリスクが高くなります。
ボタンやスモールブラインドの詳細はこちらで解説。

ブロッカーブラフ(Blocker Bluff)
自分の手札が相手の強いハンドの一部を阻害している場合に行うブラフです。たとえば、自分がAを持っている場合、相手がナッツフラッシュを持つ可能性が低いことを根拠にブラフを仕掛けます。
ポイント
- 相手の強い手を否定する材料がある状況で効果的に働きます。
- ブロッカーブラフは主にターンやリバーで特に活用されます。
注意点
ブロッカーの活用には高度な判断力が求められるため、相当な経験が必要です。日々ゲームの情報を収集し予測するプレイを心がけ、洗練された判断ができるようにしましょう。
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ブラフを使う際の注意点&成功率を高める条件
ブラフはポーカーにおいて強力な武器であると同時に、使い方を誤ると逆効果になることもあります。そのため、ブラフを成功させるためには、タイミングや相手の状況を慎重に見極める必要があります。ここでは、ブラフを使う際の注意点について詳しく解説します。ポイントを押さえ、無駄なリスクを避けて、より効果的にブラフを仕掛けられるプレイヤーを目指しましょう。
相手のタイプを理解する
- アグレッシブなプレイヤーのケース
フォールドしにくい相手にはブラフが通りづらいもの。むしろ相手のアグレッシブさを利用して、ブラフを控えて誘い込むプレイが有効です。 - タイトなプレイヤーのケース
タイトな相手はハンドレンジが狭いため、ブラフが通りやすい傾向があります。 - 初心者プレイヤーのケース
初心者はブラフを読み取る能力が低いことが多く、むしろ強いハンドと勘違いしてコールされる場合があります。そのため、初心者にはブラフを使用しない、もしくは相手にわかりやすくブラフを活用することが効果的です。
ボードのテクスチャを読む
- ドライボード(組み合わせの少ないボード)のケース
フラッシュやストレートの可能性が低いボードではブラフが成功しやすくなります。 - ウェットボード(多くの組み合わせが可能なボード)のケース
フラッシュドローやストレートドローがある場合、相手がフォールドしにくいため、ブラフのリスクが高まってしまいます。
一貫性を保つ
ブラフは「ストーリー」に基づいて行う必要があります。例えば、フロップでチェックし、ターンで突然大きなベットをすると矛盾が生じ、相手に疑われやすくなります。つまり、ブラフだとバレてしまい、大きなリスクに変化してしまうのです。ブラフを行う際には一貫したアクションで相手を信じ込ませることが重要になることを覚えておきましょう。
リバーでのブラフは慎重に
リバーでは全てのカードが公開されており、相手も情報が最大化されています。このため、ブラフを仕掛ける場合は、相手がフォールドしやすい状況を慎重に見極める必要があります。
バンクロールを考慮する
ブラフはリスクのある戦術であり、大きなポットを狙う際に失敗すると、あなたの資金に大きな打撃を与えることもあります。ブラフに限ったことではありませんが、適切なバンクロール管理を心がけてプレイするようにしましょう。
ブラフを成功させるためのポイント
ブラフを成功させるためには、単に強気なベットをするだけでは不十分です。重要になるのは、相手の心理を読み、状況に応じた戦術を取ることです。ここでは、ブラフを成功させるための具体的なポイントを解説します。ポイントを意識してブラフを効果的に使い、ゲームで有利な立場を築いてください。
相手のハンドレンジを予測する
相手がどのようなハンドを持っている可能性が高いかを分析します。そうすることでブラフの成功率を高められます。たとえば、相手が弱いレンジにいると判断できれば、積極的にブラフを仕掛けるチャンスだと判断することができます。
ポジションを活用する
ポジションが有利な場合(後手でアクションできる場合)、相手のアクションを見て判断できるため、ブラフを仕掛けるのに適しています。逆に不利なポジションであれば、ブラフを仕掛けることでリスクを抱える可能性も発生します。ポジションによっては、早い段階でゲームをフォールドすることも必要となるため、ポジションについては、必ずしっかりと理解しておく必要があります。
ポジション戦略の詳しい解説はこちら

適切なベットサイズを選ぶ
小さいポットでは小さなベットでも相手をフォールドさせる可能性が高くなります。逆に大きなポットでは、相手がコールするリスクが増えるため、ベットサイズに注意が必要です。バンクロールをしっかりと行い、必要な場面でのブラフ以外、過多な使用を避けるのも時には大切なことになります。
タイミングを見極める
- 序盤では控えめに
序盤でブラフを多用すると、相手にプレイスタイルを見破られる可能性があります。相手の特徴や性格などを把握してから、適切な場面でのブラフを行いましょう。 - 中盤から終盤にかけて有効
ブラインドが高くなり、プレッシャーが増える局面ではブラフが通りやすくなります。ただし初心者のうちは、プレッシャーが増える場面を把握できないケースも多いはず。そのため、中盤から終盤にかけて有効だとまずは理解をしておくようにしておくと良いでしょう。
感情をコントロールする
ポーカーは感情を表に出したら負け。そんなマインドでのプレイが求められます。たとえば、ブラフが失敗した後、すぐに取り返そうとする「チルト」状態は絶対に避けるべきです。常に冷静な状態でプレイし、正確な状況判断を維持することが、勝てるプレイヤーへの一歩となります。また、人によっては感情が昂ると取る癖などもあります。貧乏ゆすりや顎を触るなどが代表的な癖です。対戦プレイヤーの情報を把握するだけではなく、普段から自分のプレイスタイルについてもしっかりと把握しておくことは、勝つために欠かせない要素なので覚えておいてください。
ブラフをうより適切に使うためにはポーカーの基本ルールを理解しておくことも重要です。まずは以下の記事で全体の流れやルールをしっかりと覚えておきましょう。

具体的なブラフ戦略
ブラフを実際のプレイで使用する場合、フロップ、ターン、リバーの各段階で巧妙に使い分けることが求められます。。ここでは、それぞれの段階での具体的なブラフ戦略を解説し、成功しやすい条件や注意点についても触れていきます。
フロップでのブラフ
フロップでのブラフは、ポットを早めに奪取したい時に効果的です。フロップでは多くのプレイヤーがまだ手の強さを確認していないケースが多いため、早い段階で強気にプレイすることで相手にプレッシャーをかけることができます。
成功しやすい条件
ボードが散らばっていて、相手がヒットしていない可能性が高いときにブラフを仕掛けると、成功する可能性が高くなります。例えば、ボードが「♠K , ♦7 , ♣2」のように、対戦相手がペアを作る可能性が低い場合などが該当します。
参考例
あなたがポジションにあり、フロップで「♠K , ♦7 ♣2」が出た場合、相手が強い手を持っていない可能性が高いと推測できるため、小さなコンティニュエーションベット(CB)を打つことでポットを奪いやすくなります。この段階で相手が手を強化していなければ、コールしてくる確率は低く、そうするとポットを獲得しやすくなります。
ターンでのブラフ
ターンでは、フロップでのブラフがコールされた場合にさらに強気にプレイすることで、相手を降ろす可能性を高めることができます。ただし、ターンはフロップに比べ相手が手を強化しやすいタイミングでもあります。そのため慎重にブラフを仕掛ける必要があります。
セミブラフとの組み合わせ
フロップでのブラフがコールされ、その後ターンでフラッシュドローやストレートドローが完成する可能性がある場合、セミブラフ(自分の手が完成する可能性があるブラフ)を利用することが効果的です。例えば、ターンでフラッシュドローやストレートドローができそうなカードが出た場合、相手に「これから手が強くなるかもしれない」という印象を与えプレッシャーを与えることができます。
参考例
例えば、フロップで「♠K , ♦7 , ♣2」が出た後、ターンで「♠Q」が出た場合、ストレートドローやフラッシュドローが完成する可能性があるため、このタイミングでさらに強いベットを仕掛けることで、相手にプレッシャーを与えられます。
リバーでのブラフ
リバーでのブラフは、最もハイリスクハイリターンな戦術です。相手がすでにハンドを完成させている場合、ブラフが成功する可能性は低くなりますが、相手がまだ強い手を持っていない場合には、最も効果的なブラフができるタイミングとなります。
成功の鍵
リバーでブラフを仕掛ける場合、強力な一貫性のあるストーリーを作り、相手に自分の手が強いと信じ込ませることが必要不可欠です。例えば、フロップでのブラフやターンでのブラフを続けて行い、リバーで一貫した強いアクションを取ることで、相手にフォールドさせる可能性を高ることができます。
注意点
リバーでのブラフは非常にリスクが高く、相手が強いハンドを持っている場合、ブラフが完全に逆効果となり、チップを無駄にする可能性が高くなります。そのため、相手のプレイスタイルやボードの状態を慎重に観察し、ブラフが有効かどうかを見極める必要があります。例えば、相手が非常に強いカードを持っている可能性が高いと想定できる場合、リバーでブラフを仕掛けるのは避けるべきだと考えます。
参考例
もしフロップとターンでブラフを仕掛け、リバーで強いカード(例えば、フラッシュやストレート)を引いた場合、相手に「これ以上は降りられない」と思わせるために強くベットすることで、相手がフォールドする可能性を高めることができます。
ブラフを成功させるためには、フロップ、ターン、リバーそれぞれでの状況に応じた戦略を取ることが大切です。各段階でのブラフ戦術を上手く使い分けることで、相手を欺いてポットを奪うことを狙っていきましょう。特に、リバーでのブラフは高リスク・高リターンであるため、特に慎重な判断が必要です。それぞれの局面での戦術を意識してプレイすることで、ブラフを効果的に活用できるようになります。初心者のうちは難しいと思うかもしれませんが、ゲームの数をこなしてスキルとして身につけていきましょう。
ブラフの失敗を防ぐ方法
ブラフは非常に強力な戦術ですが、適切に使わないと失敗に終わることがあります。ブラフが失敗すると、チップを無駄に消費し、相手に読まれてしまうことにも繋がります。ここでは、ブラフの失敗を防ぐための方法を解説します。
ブラフが失敗しやすい状況
ブラフを仕掛ける際には、無謀なリスクを避けることが非常に重要です。以下のポイントを押さえて、無理なブラフを防ぐようにしましょう。
無謀なブラフを避ける
ブラフはリスクが高いため、根拠のない状況で仕掛けるのは避けましょう。相手の手やボードの状態をしっかりと見極めた上でアクションすることが大切です。
相手のリスク耐性を見極める
相手がすでにポットに多くのチップを入れている場合や、粘り強いプレイヤー(コーリングステーション)である場合、簡単にフォールドしない可能性が高いと考えられます。そのため、状況を冷静に判断し、ブラフを仕掛けるタイミングを慎重に選ぶようにします。
自分のハンドをケアする
弱いハンドでも、セミブラフ(強いフリをしつつ、自分の手が改善する可能性がある場合)を選ぶことで、リスクを軽減させることができます。自分のハンドの状況に応じて、適切な戦術を選び、適切なタイミングでブラフを仕掛けるようにします。
ボードが相手に有利でないか確認する
ボードが相手にとって有利な状況(例えば、フラッシュやストレートの完成など)であれば、ブラフは逆効果になることが多いので、慎重に行動しましょう。そのために、相手のプレイスタイルを把握したり、ゲーム全体の情報を収集し把握することが求められます。自分の手だけではなく、ゲーム全体を見てブラフを仕掛けることが重要です。
過度なブラフを仕掛けない
ブラフは適切な場面で行うことで、その効果が発揮されます。ゲームの場面やタイミングを考えず、ブラフを使いすぎる行為は相手にバレてしまう可能性が高まったり、本当に必要な場面において、ブラフが成功しずらくなってしまうので注意が必要です。
成功例と失敗例
成功例
あなたがフロップで「♣A , ♦7 , ♠4」を見て、相手はチェックしたとします。あなたはフロップでポジションにてコンティニュエーションベットを行います。相手がコールしましたが、ターンで「♦J」が出た後もあなたが再度強気のベットを行い、相手を降ろすことができれば成功です。
失敗例
フロップで「♦K , ♣10 , ♥9」が出たときに、相手が強気のコールを続けています。あなたはセミブラフとしてプレイしていましたが、リバーで相手がストレートを完成させ、ポットを失った場合。これは失敗となります。
ブラフと他の戦略の併用
ブラフと他のテクニックを併用する場合、単独でのブラフよりも複雑な心理戦が展開されます。この心理戦を制するためには、相手の行動や場の状況を正確に把握し、戦術を柔軟に適用する必要があります。以下で、各ポイントについてさらに詳しく解説します。
プレイスタイルのバランス
ブラフや特定のテクニックを多用しすぎると、相手にパターンを読まれてしまいます。一方、極端にブラフを控えると、あなたの行動が「正直すぎる」ものとして認識され、他の戦術が効力を失う可能性があります。ゲーム展開やシチュエーションから適切なタイミングで状況に応じたブラフを行うことが大切です。
ランダマイズ
どの局面でブラフや他の戦術を使用するかを予測困難にするため、意図的に「ランダマイズ」することが重要です。例えば、50%の確率でブラフ、残りの50%でセミブラフやポジションプレイを使用するといった具合にランダム性を取り入れます。
補足:ランダマイズとは?
「ランダマイズ(randomize)」とは、ポーカーにおいて、戦術やプレイの選択を意図的にランダムにすることを指します。相手が自分のプレイスタイルや行動パターンを予測しづらくなり、読みを困難にさせることができます。ランダマイズを行うことによって、相手に対して一貫性がないように見せ、プレイの幅を広げることも狙えます。
自然な変化
ゲームの流れやスタックサイズの変化に応じて、戦術の割合を変えることも大切です。例えば、スタックが減少するにつれてブラフの頻度を下げるなどです。過度なブラフや一つのテクニックに固執するなどのプレイスタイルを行わず、状況に応じて戦略を変えてプレイするようにしましょう。
相手の心理を読む
ポーカーは心理戦の要素が大きいゲームです。相手の心理を読むことで、どのテクニックをいつ使うべきかを判断することができます。以下は一例となります。
傾向の観察:アグレッシブな相手の場合
積極的にベットしてくる相手はブラフを警戒しにくい傾向があります。このような相手に対しては、スロープレイやセミブラフを併用し、ポットを膨らませることが効果的です。
タイトな相手の場合
慎重なプレイヤーはブラフに対して敏感な傾向にあります。この場合、ブラフは控えめにし、実際の強いハンドで大きな利益を狙うようにします。
相手の感情を利用
相手がイライラしている(いわゆるティルト状態)場合は、無理なコールやレイズを引き出しやすいタイミングです。この状況を見極めて大胆なブラフを仕掛けることができます。しっかりの相手の情報を取得し、どんな感情にあるのかを判断していきましょう。
情報を与えすぎない
ポーカーでは、あなたの行動が相手にどのような情報を与えるかを常に意識する必要があります。情報を与えすぎると、相手はあなたの戦略を見抜きやすくなります。逆に情報を与えすぎないのも時にリスクを作ってしまいます。意図的に必要な情報を相手に与え、ゲームをコントールできるようにしましょう。
一貫性の重要性
無意識に出る癖や、特定のアクションにおける一貫性の欠如は、相手に「これはブラフだ」と感じさせる原因になります。一貫したアクションで、強いハンドでもブラフでも同じように振る舞うことが重要です。ポーカフェイスや意図的な情報を与えることで、一貫性を保ったプレイを行いましょう。
複数のストーリーを準備
ブラフを仕掛ける際は、「ハンドを完成させている」と相手に信じ込ませるストーリーを作ります。同じストーリーラインを繰り返すと見破られるため、複数のパターンを用意しておくことが大切です。もし他のプレイヤーが上手にストーリーを作っているケースがあれば、そのスタイルを模倣し自分のものとすることもおすすめです。
スタックサイズとリスク管理
ブラフや他のテクニックを効果的に使用するためには、自分と相手のスタックサイズを正確に把握することが不可欠です。スタックサイズは戦術の選択に直接影響を与えるので覚えておきましょう、
ディープスタックの場合
ディープスタック(スタックサイズが大きい場合)では、複数ストリートにわたるブラフが可能です。例えば、フロップで小さなベットをしてターンとリバーで大きくベットすることで、相手にプレッシャーを与えることができます。
ショートスタックの場合
スタックが少ない場合、ブラフは慎重に行うようにします。この場合、リスクを最小限に抑えるためにも、セミブラフなどの成功率の高い戦術に限定するのが有利なゲーム展開が狙えます。
ブラフと他のテクニックの組み合わせた戦略例
ブラフだけに頼るのではなく、他のテクニックと組み合わせることで、戦略全体の信憑性を高めることができます。例えば以下のような方法です。
- ブラフ+セミブラフ
- セミブラフを適度に織り交ぜることで、相手が降りる場合にも勝利し、コールされてもハンドを完成させる可能性を残します。
- ブラフ+スロープレイ
- 例えば、1つのゲームでスロープレイを成功させた後、次のゲームでブラフを使用することで相手を混乱させます。
- ブラフ+ポジションプレイ
- ポジションを活かして相手のアクションを観察し、ブラフが通りやすい場面を見極めます。
ブラフを他のテクニックと組み合わせることで、相手をさらに混乱させたり、予測を難しくすることができます。ここではブラフと相性の良いテクニックを5つ紹介し、それぞれの戦略例を紹介します。
1. セミブラフ (Semi-Bluff)
セミブラフは、完成していないがポテンシャルの高いハンドでブラフを仕掛ける戦術です。例えば、フラッシュドローやストレートドローを持つ場合に使用します。
参考例
あなたがフロップで「♠4 , ♠5」を持っており、フロップが「♠6 , ♠7 , ♦K」の場合、フラッシュやストレートが完成する可能性があります。この場合、大きめのベットをして相手を降ろすか、相手がコールした場合もターンやリバーでハンドを完成させることが狙いです。
2. ポジションプレイ
ポジションを活かして相手のアクションを見た後にブラフを仕掛ける戦術です。特にボタン(BTN)やカットオフ(CO)のポジションでは、相手のチェックに対して強気のベットを行うことで成功率が高まります。
参考例
あなたのポジションがボタン(BTN)で、スターティングハンドで「♦Q , ♦10」を持っており、フロップが「♥J , ♣6 , ♠2」だった場合、相手がチェックしたのを見てコンティニュエーションベットを行います。ここで相手がハンドを持っていなければフォールドする可能性が高まります。
3. コンティニュエーションベット (C-Bet)
プリフロップでレイズした後、フロップでも続けてベットを行い、相手に強いハンドを持っていると思わせる戦術です。成功すれば、弱いハンドを持っている相手をゲームから降ろすことができます。
参考例
プリフロップであなたが「♣A , ♠K」でレイズし、相手がコール。フロップが「♦8 , ♠9 , ♥3」の場合、あなたのハンドは完成していないものの、強いハンドを持っていると見せかけてベットを行います。この場合、相手がフォールドすれば成功です。
4. スロープレイとの組み合わせ
スロープレイを行った後にブラフを織り交ぜることで、相手に行動を読ませにくくすることができます。強いハンドを隠しつつ、別の局面でブラフを仕掛けることで多様性を持たせましょう。
参考例
あなたがポケットエース「♠A , ♥A」を持っており、フロップで「♦A , ♣8 , ♥2」が出た場合、スロープレイでチェックします。次のハンドで弱いカードを持っていても、強いハンドを持っているように見せかけてブラフを仕掛けることで、相手を混乱させることができます。
スロープレイ戦略の詳細はこちら
5. マルチレベル・シンキング (Multi-Level Thinking)
マルチレベル・シンキングは相手の行動を読んだ上で、さらにその裏をかく戦術です。相手があなたのブラフを疑うと考える場合、その心理を利用して逆にブラフを通します。高度なテクニックですが、上手く活用することで心理戦を制することができます。
参考例
あなたがフロップで積極的にベットをしていたため、相手が「ブラフだ」と思い込んでいるとします。ターンで実際に強いハンドを完成させた場合も、大きなベットをすることで相手がコールしてくる可能性が高まり、結果的に大きなポット獲得を狙うことができます。
まとめ
ブラフはポーカーにおいて成功を左右する重要なテクニックですが、状況や相手のタイプに応じて適切に使い分ける必要があります。成功するためには相手のタイプやボード状況、ポジションなどを正確に把握する必要があることを忘れないでください。ここで解説した各種ブラフを活用し、実際のプレイでブラフを効果的に活用し勝利を掴みましょう。